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iPadをネットバンク専用端末として利用してみた

タブレット

AppleのタブレットであるiPadをネット銀行や証券会社の取引で使うことをセキュリティの観点から検討しました。
実際にiPad Proをネットバンクやネット証券で使ってみて、実用に足るか検証してみました。

iPadをネットバンクで使うメリット

iPadにはiPhoneと同様、ウイルス対策が施されています。
まずは最も重要なセキュリティ上どうなのかを説明しましょう。

ウイルスに遭遇しない仕組みがある

まずは、ウイルスに遭遇しない仕組みです。
iPadは、iPhone同様、インストールできるアプリがApp Storeに限定されています。
又、App Storeでアプリを公開するには開発者登録が必要となっており、開発したアプリはAppleによって厳しく審査されているため、ウイルスなどの悪意あるソフトが紛れ込みにくい環境となっています。
パソコンのようにメールの添付ファイルを間違えて開いてソフトウェアがインストールされてしまい、ウイルス感染してしまったという事故が起きる可能性が限りなく低いです。
Androidのようなネットで見つけた野良アプリをインストールしてしまい、ウイルス感染といった事故も起こりません。
タブレット端末ではAndroidよりもiPadの方がネットバンク用としては優れているといえるでしょう。

ウイルスに感染しても無効化する仕組みがある

iPadでは他社製アプリやそのアプリで作成したデータはサンドボックスという専用領域に保存されます。サンドボックス内での動作は別のサンドボックスに影響がないようになっており、仮にウイルスが含まれていたとしてもサンドボックス内に隔離され、ほかのアプリやOSに影響を与えることはできないようになっています。
どのようなアプリであってもシステムや他のアプリにアクセスすることができないように、封じ込まれた状態になっています。
そのため、ウイルスソフトによるウイルススキャンも不可能となっています。
万が一、ひとつのアプリが感染した場合も、保存されている画像などのプライバシーにアクセスし漏えいしてしまうことはありません。
その他にも、システムの改ざんを検出したり情報を暗号化したりと、iPhoneやiPadにはウイルス対策が施されています。

Q[iPhone/iPad]ウィルス対策は必要ですか?
A いいえ、iPhone/iPad ではウイルス対策の必要はございません。
https://www.softbank.jp/support/faq/view/12296
上記のように携帯キャリアのHPでもiPhoneyやiPadでもウイルスセキュリティ対策は不要とされています。
その他、やはりPCに比べて立ち上げる手間がなく、気軽にスピーディーに使えるというのがメリットになります。

iPadをネットバンクで使うデメリット

iPadをネットバンクで使うデメリットとしては、数字の入力が面倒に感じることです。
下記のようなiPad用のキーボードを使うことで上記のデメリットを解消できます。

又、ブラウザで使用する場合、PCを前提にしているサイトが多いので、文字が小さく感じる点や地方銀行や信金の場合、iPadに対応していないところもあります。

iPadの銀行・証券会社への対応状況

iPadを実際に使ってみて、ネット銀行、ネット証券で実際に使えるか検証しました。

ネット銀行の対応状況

主要なネット銀行やメガバンクはアプリ対応しており、iPadでも問題なく使えます。

項目SBI住信楽天UFJ三井住友みずほ
アプリ
残高照会
入出金明細照会
振込・振替
定期預金
外貨預金

ここでは主要なネット銀行であるSBIネット銀行と楽天銀行を実際に使ってみた使用感をお伝えします。
住信SBIネット銀行においては、iOS用の公式アプリがあり、アプリ1つで口座開設やATMの入出金も可能、残高照会や振込等ほとんどの取引が完結できます。指紋認証など、生体認証でログインできます。
又、入金などをリアルタイムでお知らせをすることが可能です。iPhone用のアプリですが、ipadでも画面を拡大して問題なく使用できます。

楽天銀行もiOS用の公式アプリがあり、アプリで残高照会や振込等ほとんどの取引が完結できます。指紋認証など、生体認証でログインできるようになっており、不便を感じたことはありません。

ネット証券の対応状況

項目SBI楽天
日本株○ アプリ○ アプリ
入出金○ ブラウザ○ ブラウザ
米国株○ 専用アプリ○ アプリ
投資信託○ 専用アプリ○ ブラウザ

私は主にSBI証券、楽天証券を使っていますが、iPadでも問題なく使用できます。
但し、iPadの画面に対応したアプリはなく、iPhone用のアプリを拡大表示して使うことになります。
又、入出金はアプリ上ではできず、Safari等のブラウザに遷移して使用することになります。
SBI証券の場合は、アプリを使用する場合は日本株はSBI証券アプリで、米国株は米国株アプリで、投資信託の積立は簡単積立アプリでとアプリが分かれています。ブラウザであれば、PCと同じようにアクセス可能です。楽天証券は一つのアプリに集約されております。いずれもiPadで問題なく使用できています。

iPadでネットバンキングを使う上でのポイント

OSは最新の状態で利用する

セキュリティを気にするのであればやはり最新のOSにアップデートできるというのは最低限必要でしょう。OSが古いとそもそも上記の銀行や証券会社のアプリをアップデートできないというのもありますし、セキュリティ上の脆弱性がそのままになり、セキュリティ上のリスクが高まるためです。

通信環境にも注意を払う

又、wifiモデルの場合は接続する通信環境にも注意を払いましょう。
公衆無線LAN(WiFi)やホテル客室の無線LANは使わないほうが無難です。
これらは、悪意のある人に対しては、セキュリティはないに等しい場合が多く、自宅の回線を用意しましょう。又、家族がアダルトサイト等を閲覧してネットワーク内のPCがウイルスに感染している等が心配な方は回線自体を分けた方がより安全でしょう。iPadの場合はセルラーモデルを選択すれば簡単に単体で通信ができるようになります。

必要に応じ、セキュリティソフトを追加する

上記のようにiPadは仕組み上ウイルスソフトは不要と申し上げましたが、iPadにもウイルス対策ソフトが必要な場合があります。
なぜなら、iPhone/iPadはフィッシング詐欺対策といったセキュリティを提供する製品ではないためです。
足りない機能はウイルス対策ソフトでセキュリティ機能をプラスしてあげる必要があります。
たとえば、最近猛威をふるっているワンクリック詐欺はiPhoneやiPadでも不正請求画面をしつこく表示します。

上記はWebブラウザの機能を使って、不正請求画面のホームページを表示しているだけでウイルスをインストールさせるわけではありません。
ウイルスではない、単なるホームページということになると、iPadではブロックすることは不可能です。また偽サイトを使ったフィッシング詐欺といったも同様です。
本物のサイトや企業を装ったメールやSMSが来て、騙されてしまい、うっかり住所や氏名といった個人情報を入力したり、パスワードを入力するといった行為を、iPadではブロックできません。
そのため、ウイルス感染しないiPhoneやiPadというデバイスであっても不正請求などの金銭被害や、個人情報の漏えいが起きるのです。
フィッシング詐欺等の足りないセキュリティ機能をウイルス対策ソフトでプラスしてしっかりと守る必要があります。

iPadは、利便性のために、パスワードを端末に自動記憶するよう初期設定されています。
iPad紛失時のリスク軽減のため、パスワードを記憶させないように設定変更したほうが良いでしょう。

あまり色々なサイトにアクセスしない

上記のようにiPadはウイルスに感染しない仕組みとなっていますが、ネットサーフィン等であやしいサイトや一見正規のサイトにみえる偽サイトにアクセスして情報を入力したりといったことを行うとそこはiPadでは防ぐことはできません。
そのため、主にネット銀行で使うものは必要な用途以外には使用しないというのが安全性を考えれば望ましいでしょう。私は、iPadもPCも使用しておりますが、いずれもブックマークしたサイトや特定のアプリの利用にとどめて、ネットサーフィンは別のPCやスマートフォンで行うように心がけています。

ネットバンク利用に適したiPadの選び方

最新のOSにアップデート可能なモデルから選択する

上記のiPadでネットバンキングを使う上でのポイントで記載したようにiPadのOSバージョンを最新にしておく必要があります。
そのため、ネットバンクだけであればそれほど高いスペックは必要ありませんが、できれば最近のモデルの方がよいでしょう。少し古いモデルの方がやや安価で入手できますが、OSのアップデートは最新モデルの方が長く行われるためです。

ネット回線を分けたいならばセルラーモデルを選択する

自宅のネット環境の安全性に問題があり、通信回線自体を独立した回線にしたい場合は、スマートフォンと同様にSIMを入れて通信ができるセルラーモデルがおすすめです。
セルラーモデルの方が値段は高めですが、別にルーターを購入する必要がないというメリットがあります。月額の維持費が安く済む格安SIMの選び方は以下の記事で扱っています。

スペックは高い必要なし

iPadはiPad Proから、iPadminiまで様々なモデルがあり、保存容量も64GBから1TBのものまであります。主な用途がネット銀行やネット証券の取引であれば、保存容量はアプリ等のインストールに使用するのみなのであまり必要なく、64GBのモデルで十分でしょう。

まずは画面の大きさは大きい方が望ましいので、iPadminiはおすすめしません。
画面サイズが10インチ以上あるモデルから選択しましょう。

12.9インチのiPad Proは絵を描いたり、Netflix等で動画を見たり等性能を活かせる用途に使用するのであればよいですが、ネットバンク等で主に使うのであればオーバースペックでしょう。
通常版のiPadか、iPad Airの性能があれば十分でしょう。

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