自分がいくら気をつかっていても家庭内LANの他のパソコンがウイルスに感染し、ご利用のパソコンがウイルス感染してしまう可能性はあります。
そのようなリスクに対してとれる対応策の一つがネットバンク専用のパソコンを用意して、ネットバンク専用の回線でつなぐ方法です。
お金が高くつくのではないかと思う方もいるかと思いますが、最近は格安SIMも出ていることとネットバンク専用であればデータ量も多くはないため、それほど費用はかかりません。
今回は、ネットバンク専用回線の選び方をまとめました。
なぜネットバンク専用回線が必要か
ネットバンクを安全に使うためのセキュリティ対策まとめでも取り上げたように不正送金が行われる手法としては、ウイルス感染、フィッシングという2つが代表的です。
この2つに対しては、ウイルス感染しないために、危険なサイトにアクセスしないことと怪しいURLをクリックしないことが重要になります。
但し、自分が気を付けていても、家族がこっそりとアダルトサイトを閲覧していて、そのPCがウイルス感染してしまって、同じLANに接続しているPCも感染してしまったり、自分も普段は気を付けているもののアクセスしてしまって、感染してしまうということがあるかと思います。
又、明らかに危険なサイトだけでなく、通常の企業HPの脆弱性をついて、ウイルスに感染してしまうこともあります。
そのような場合、ネット銀行やネット証券専用のパソコンに加えて、回線自体が分けられていると同じネットワークには接続せず、ネット銀行や証券会社専用の回線となり、安心ができます。
ネットバンク専用回線の特徴
データ使用量は少なくてよい
まずは、ネットバンク専用で使う場合のデータ使用量はどれくらいか把握しましょう。
私はネットバンク専用回線で運用していますが、概ね1GB~2GBで済んでいます。
1回使用するごとに0.2GB程使用しています。
但し、OSのアップデートやセキュリティパッチ、セキュリティソフトの更新等容量の大きなファイルダウンロードが必要な月はデータ通信量が追加で1~3GBかかります。
そのため、プランとしては、2GB~5GBぐらいまでで安めのプランがよいでしょう。
キャリアによっては、使用しなかった容量を次月に繰り越せるサービスがありますので、そのようなサービスがある方が望ましいでしょう。
又、昔は固定回線でADSLと安価な回線がありましたが、今はサービス終了し、光回線のみです。
光回線は、動画や大きなファイルをダウンロードするには必要ですが、ネット銀行や証券会社のみであればオーバースペックです。
今は格安SIMで安価なプランがでていますので、モバイル回線で十分でしょう。
又、ネットバンク専用であれば、通話やSMSは必要ないため、データ通信専用プランでよいかと思います。
但し、別途携帯電話がない場合は、2段階認証のため、SMSをつけた方がよいでしょう。
速度は高速ではなくてもよい
ネット銀行専用で使う場合は、ネット銀行のサイトは動画のようにデータ量が多くはなく、テキストが中心になるので、高速通信は必要ありません。
但し、画像データを使用しているページもあるので、1Mbps以上は速度がでた方がサクッと画面が表示されて、ストレスなく使用できると思います。200kps程度の低速モードで使用したこともありますが、使えないこともないですが、やはり表示にもたつきがあると感じてしまいます。
ネットバンク専用回線のつなぎ方
ネットバンク専用回線のつなぎ方としては、
スマートフォンを専用端末としてテザリングで使用する
専用のルータを導入する、という方法があります。
専用のスマホでテザリングする
専用のスマホを用意してテザリングするというのは手軽な方法です。
テザリングの方法には、wifi,bluetooh,USBとありますが、セキュリティ的には、USB(有線)>bluetooh>wifiの順でおすすめです。
私は、セキュリティ的にはAndroidよりもiOSの方が望ましいと思っているので、iphoneをテザリング専用端末として使用しています。
最新のモデルである必要はありませんが、OSは最新のバージョンが利用できるモデルをおすすめします。
又、個人情報の収集について懸念がある中国のメーカーではなく、国産かアメリカ製のものの方がよいかと思います。
専用のルーターを導入する
専用のルータを利用するというのも、ルーターを別途手に入れる必要がありますが、一つの方法です。
専用のモバイルルーターを選ぶ際のポイントとしては、
✔有線LAN接続又はUSB接続が可能なタイプのルーターか
✔可能であれば、複数のSIMを入れられる(デュアルSIM)タイプのルーターかどうか
✔通信量に制限をかけられる
といった点です。
有線LAN接続又はUSB接続が可能なタイプのルーターかどうかですが、無線LANで接続することもできますが、やはり無線LANだとパスバードははかかっており、暗号化されているものの、有線LANに比べるとセキュリティ面で劣ります。
別売りのクレードル等でも使用して、有線LANで接続できるモデルが望ましいでしょう。
又、通信速度面でも無線よりも有線接続の方が安定する傾向にあります。
上記を満たすものとしてAterm MR05LNがおすすめです。
LTEの受信感度がよいですし、別売りのクレードルを使用すれば、有線LAN接続できます。
又、SIMカードを2枚差しできますし、通信量の制限もSIMごとに可能です。
なぜ2枚差しできた方がよいのかについては後述します。
ネットバンク専用回線のおすすめ
上記で挙げたようにネット銀行専用で回線を用意する場合
(1)データ使用量が少ない(1GB~4GB程度)
(2)1Mbps以上速度がでれば十分
(3)OSアップデート等の際には追加容量が必要な時もある
といった特徴があります。
上記の特徴から
(1)データ使用量が少なくてコストが安いプランがあるかどうか
(2)速度は最低1Mbps以上が安定的にでるか
(3)容量が足りなくなった場合プラン変更が月単位で可能かどうか
(4)使わないデータ容量は翌月に繰越可能か
という観点でネットバンク用に適したおすすめの回線を示していきます。
楽天モバイル
まずはおすすめの回線としては、楽天モバイルになります。
楽天モバイルは、かつては1GB以下であれば無料で利用できましたが、最低でも980円(税込み1,078円)はかかるようになりました。以下のような料金体系となっているので、データ量が多く、容量を気にせずに使いたい方向けでしょう。
データ量 | 料金 |
3GBまで | 980円(税込1,078円) |
20GBまで | 1,980円(税込2,178円) |
無制限 | 2,980円(税込3,278円) |
速度もエリア内であれば、十分すぎる速度がでます。
無料期間終了後でも1GB~3GBは税込み1,078円,3GB~20GBまでは2,178円、20GB超過語は定額で3,278円と料金プランが明確です。
ネット銀行専用であれば20GBを超えることはまずないでしょう。
念のため、通信量の制限をかければ安心です。
注意点としては、都心はカバーされていますが、地方についてはドコモやauといった主要キャリア比べて提供エリアが限定されている点と低速通信モードがないので、3GBを超える場合は、他より料金がかかってしまう可能性がある点です。
(1)データ使用量1GB~3GB 1,078円と低コスト、使い放題で3,278円
(2)楽天エリア内であれば速度は30GBpsb以上がでて、非常に高速、
(3)月額料金は、使用量ごとに決まり、調整が容易
その他、端末もiphoneであっても還元がされており、端末が安く入手が可能というメリットがあります。総合的には、3拍子揃った回線になりますが、ネット専用回線には通話が不要であり、後ほど紹介する回線の方が向いているといえるでしょう。
IIJ(インターネットイニシアティブ)
IIJは、格安SIMの黎明期からある実績のある会社になります。
データ通信のみのプランであれば、2GBで740円(税込)からと非常にリーズナブルです。
又、5GBまでも900円(税込)から使用でき、ネット銀行専用であればこちらで十分かと思います。
高速回線の利用データ別にみると以下のようになっています。
通常利用であれば、2GBでも足りるのですが、windowsアップデートがある場合を考えると5GBあると安心でしょう。翌月まで高速通信のデータ容量も繰越可能となっているので安心です。
データ | SMS | 音声 | |
2GB | 740円 | 820円 | 850円 |
5GB | 900円 | 970円 | 990円 |
10GB | 1,400円 | 1,470円 | 1,500円 |
15GB | 1,730円 | 1,780円 | 1,800円 |
20GB | 1,950円 | 1,980円 | 2,000円 |
iijmioの特徴としては、上記の高速通信容量を使い切った場合でも300kbpsの低速モードもあり、通信が可能となっています。
低速モードは、通信しはじめの一定量は高速通信できるバースト転送が可能であり、ネットバンクのみであれば、高速回線ではなく、低速モードでも使用できます。
ネット銀行だけであれば、低速モードでもなんとか使えますが、証券会社での取引もする方であれば、低速モードでの使用はストレスがたまるでしょう。
(1)高速通信のデータ使用量ごとに料金が定められており、安価
高速容量制限超過後であっても低速モードで通信が可能
(2)速度は10GBpsb以上がでて、高速、ドコモ網なので安定性、利用範囲が広い
(3)プラン変更することで月ごとのデータ容量(ギガ数)を変更可能(手数料無料)
(4)使用しなかった高速通信容量は翌月繰越可能
mineo(マイネオ)-まいそく
mineo(マイネオ)は、関西電力グループのオプテージが提供している格安SIMのサービスになります。その中でもネット銀行利用におすすめなのが、まいそくというサービスです。
月~金の12-13時の通信速度が最大32kbpsに制限される代わりに、おトクにデータが使い放題になるサービスとなっています。
プランごとに最大料金は異なりますが、データ通信使い放題となるプランです。
なお、音声通話付きのSIMとなっています。
プラン | 値段(税抜) | 速度 |
スタンダード | 900円 | 最大1.5Mbps |
プレミアム | 2,000円 | 最大3Mbps |
32kbpsだとテキストデータしかやり取りできず、昼はかなり制限されますが、サラリーマンの混雑時間帯を避けることでかなりお得なプランとなっています。
ネット銀行をあえて平日の昼休みの混雑する時間帯に使用するということをしなければ、通常の取引はスタンダードの1.5Mbpsで十分できますし、OSのアップデートも可能です。
たまに取引するのではなく、頻繁にネット銀行や証券会社を使う方にはおすすめのプランです。
mineo(マイネオ)-データ通信SIM+パケット放題Plus
昼休みに速度制限されずに使いたい方は、mineoのデータSIMにパケット放題Plusというオプションを足すのがおすすめです。
通話が必要ないデータ専用プランなので、無駄がありませんし、1.5Mbpsでネットや動画が使い放題となります。3日間で10GB以上使用すると制限がかかりますが、ネット銀行専用PCであれば、Windows updateがっても10GBも使うことはまずなく全く問題ありません。
mineoのデータ通信SIM(シングルタイプ) 高速通信1GB(税込880円)のプランにパケット放題Plus385円で合計1,265円で何の気兼ねもなく使い放題となります。
→残念ながらシングルタイプ(データ通信のみ)の基本データ容量3GB以下のコースでは新規契約は修了してしまいました。10GB以上のコースのみとなるので、上記のまいそくプランの方がよいでしょう。
Nuroモバイル
NUROモバイルはソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供する格安SIMです。
通話SIM、データSIMとありますが、ここではネット銀行利用を考えてデータSIMを取り上げています。
特徴としては、バリューデータフリーがありLINEトークのデータ通信量が高速通信にカウントされない点とGigaプラスという契約プランに応じて、3か月毎にデータ容量を追加で受け取れる特典があります。値段と容量のバランスは最もよいでしょう。
プラン名 データ容量 | 月額基本料金 | データフリー | Gigaプラス |
VSプラン 3GB | 627円 | – | – |
VMプラン 5GB | 825円 | 対象 | 3GB |
VLプラン 10GB | 1,320円 | 対象 | 6GB |
VLLプラン 15GB | 1,625円 | 対象 | 9GB |
(1)高速通信のデータ使用量ごとに料金が定められており、安価
高速容量制限超過後であっても低速モード(200kbps)で通信が可能
(2)速度は30GBpsb以上がでて、高速、ドコモ網も選択でき、安定性、利用範囲が広い
(3)プラン変更することで月ごとのデータ容量(ギガ数)を変更可能(手数料無料)
(4)使用しなかった高速通信容量は翌月繰越可能
まとめ
上記のように動画やネットサーフィンを楽しむ光回線とは別に、ネット銀行専用に回線を用意して安全に利用する方法について解説しました。
今は格安SIMがかなり安くなっているので、別回線を用意してもさほどコストはかからず、快適な環境で利用することが可能です。
値段と容量、スピードのバランスを考えるとIIJ(インターネットイニシアティブ)又はNuroモバイルがおすすめです。
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